システムアーキテクト試験

申し込み時期に業務で要件定義をやっていたのと、ちょうど会社の目標設定面談の時期で、合格目指して頑張ると言えば体裁が良さそうだったので受験することにしました。

システムアーキテクト試験

システムアーキテクト試験では、主に要件定義と設計に関する問題が出題されます。

試験は、午前Ⅰ、午前Ⅱ、午後Ⅰ、午後Ⅱの4つに分かれています。

午前Ⅰは、択一の30問を50分で解きます。内容は高度情報のいずれの試験でも共通で幅広い分野から出題されます。内容的には応用情報の午前問題と同じです。

午前Ⅰには免除制度が存在し、応用情報や高度情報のいずれかに合格するか、高度情報のいずれかの試験で午前Ⅰを合格点以上取って2年以内なら免除されます。詳しくは公式HPに載っていますので不安な方は確認すると良いでしょう。
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免除申請は受験申し込みの際に行うので忘れないよう注意しましょう。

午前Ⅱは、択一の25問を40分で解きます。午前Ⅱからは各試験毎に試験問題が異なり、試験の特性に沿って内容が絞られます。システムアーキテクト試験では、主に要件定義や設計に関する用語の問題が出題されます。

午後Ⅰは、数十文字で答えさせる記述問題や択一問題等が含まれた大問が出題され、4問(4問のうち1問は組込みシステムに関する問題)の中から2問を90分で答えます。

午後Ⅱは、論文試験となっており、3問(3問のうち1問は組込みシステムに関する問題)の中から1問を120分で記述します。文字数制限はどの大問も共通で、設問アは800字以内。設問イは800字以上1,600字以内。設問ウは600字以上1,200字以内。
また、論文の他に、論述の対象とする計画又はシステムの概要を解答する必要があります。設問は毎回共通なので、事前に解答を考えておくのが良いと思います。

合格基準は午前Ⅰ、午前Ⅱ、午後Ⅰの全てで6割以上かつ午後ⅡでランクAを取る(午後Ⅱは点数制ではなく、論文の内容によってランクA~Dにランク付けされる)ことです。また、合格だけを目指す場合特に気にする事ではありませんが、採点は午前Ⅰから順に行われ、どこかで合格基準に満たなかった場合はそれ以降は採点されず結果を知ることはできません。

勉強

情報処理安全確保支援士試験を受験した時は試験1ヶ月半前から始めて、それでもそんな前から勉強する必要が無いと感じたので1ヶ月前から始めることにしました。

参考書は、TACのALL IN ONEにすることにしました。応用情報技術者試験情報処理安全確保支援士試験でTACを使って合格できたので。

参考書の午前Ⅱの一周し過去問を解いてみたところ、想像以上に解けない。しかも、参考書に書いていない内容が多く出題されており、参考書の内容の薄さに絶望。応用情報や支援士ではここまでじゃなかったのに...

という事で、参考書で勉強することは諦め、過去問を大量に解く方式に変更。
システムアーキテクト試験に限ったことではないですが、午前試験は過去問と同じ問題が多数出題されるので過去問の数をこなせば合格点は取れるのです。

システムアーキテクト試験には、応用情報や支援士試験にあったような正答率や解説が確認できる便利な過去問道場のサイトは無いので、以下の2つのサイトを使いました。
システムアーキテクト過去問対策.comは、正答率を算出してくれるので問題は主にこちらで解き、情報処理技術者試験の勉強(過去問題)をやり直しのサイトには解説がついているので、間違えた問題確認しておきたい問題はこちらで解説を見ました。

3週間前になり午後Ⅰの問題を解いてみたところ、支援士試験の時以上に知識が必要なく単なる国語の問題だったため対策不要と判断。

午後Ⅱは、3週間前から参考書を読み始め書き方や考え方を勉強、2週間前に過去問を解きましたが、昔から長文を書くことが苦手なこともあり、案の定文字数を稼げず字数制限に遠く及ばない結果に。
これは合格するのは無理だと諦め、勉強を中断してしまいました。

2日前になり、やっぱり諦めきれず勉強を再開。と言っても、午前Ⅱの過去問を解いただけだけれど。

試験前日となり、もう一度午後Ⅱの過去問を解いてみることに。しかし、何もしていないので当然だが、相変わらず字数制限に遠く及ばず...
さらに、前述した論述の対象とする計画又はシステムの概要の設問がIPAの過去問PDFにも参考書にも無かったので、ネットで検索して探し出し目を通しました。

試験

午前Ⅰは免除なので10時過ぎに会場へ。

午前Ⅱは、過去問と同じ問題もちらほらありながら知らない用語の問題も多く、過去問でも6割を切った年があったので合格できるか若干の不安を覚えました。

午後Ⅰは支援士試験の時と同様、どうせ問題をざっと見ただけでは難易度は分からないし、組込みシステムを除く3問ともを時間内に解くことは可能だと感じていたので、1問目から順番通りに解いて難しかったら次の問題を解く方式を採用。2問目までを解き終わり、6割は取れただろうと思えたので3問目は解かず2問目までで解けなかった問題に注力することにしました。

午後Ⅱは、3問目は組込みシステムなので除外するとして、1問目と2問目のどちらを解くかを選択するのに想定以上に時間をかけてしまい、貴重な5分を浪費。

実は、業務経験が1年しかないうえにこの1年間でやったことと言えば研修と1つの案件の要件定義のみ。想像力も無くネタの用意もしていないので要件定義をやったシステムについて書こうと思っていたのだが、1問目はアジャイルについて、2問目は設計についてとどちらも未経験。
それぞれの問題で軽く中身を考えてみて、2問目に決めるというちゃんと対策してネタの用意をしていれば不要な時間の使い方をしてしまっていた。

話は戻って、設問はア、イ、ウの3つありますが、論文として1本の構成を3つの章として考えれば良いことは参考書を読んで分かっていたので、参考書に従い章立てと簡単な内容をメモしていく。これが終わった時点で20分が経過。この頃は、まだ何とかなると思っていたが...

設問アが奇跡的に目安である600字を埋めることが出来て喜んで時間を見ると、なんと試験開始から1時間が経とうとしている。設問イは800字以上、設問ウが600字以上書かなければならないことを考えると、圧倒的に時間が足りないと焦りはじめました。

何とか書ききることを目標に、設問イでは書こうと思っていた3つのネタのうち1つを削り、800字が書けた段階で適当に切り上げる。この時すでに1時間半が経過。
ただ、設問イではどのような設計をしたかを問われたが、前述の通りまだ設計はしていない。問題文に書いてある設計方法を真似ることでお茶を濁し、時間だけでなく内容にも絶望感を味わい挫けそうになるが、ここまで書いたんだしと設問ウへ。

設問ウは、無心で最初に書いたメモの通り書くが当然文字数が足りない。参考書に書いてあった文字数稼ぎ術の、顧客に喜ばれたとか顧客の反応が良かった等の適当な言葉を並べ続けギリギリ600字を到達。到達と同時に試験終了。

文字数に関して、参考書には改行等でできる空白は文字数に含まれないと考えた方が良いとの記載があるため、600字を超えたと言っても空白を数えないと600字には到達していないので合格は絶望的だと感じながら帰路へ。

結果

2ヶ月後の合格発表日。一縷の望みに賭けて結果を確認すると、合格していました。
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午前Ⅱは、順当な結果。午後Ⅰは6割は確実に超えているとは感じていましたが、まさか95点も取れているとはと言った感じです。

そして午後Ⅱに関してですが、空白も文字数に数えるのかと思いましたが、文字数が足りなくても合格したという人もちらほらいるようでした。そこで、問題冊子をよく確認したところ、評価を下げることがあると書かれているだけで採点しないとは書かれていないんですね。
勝手に文字数が足りないと採点されないものと考えて焦っていましたが、評価が下げられる可能性があるというだけなのでしたらそこまで文字数にこだわらず、内容を充実させた方が良い気もします。
と言っても、今回の内容で合格できたのは謎ですが...

おわりに

みなさんが言うように、論文試験対策はネタを用意することと書く練習をすることが大切ですね。
ネタが無いと、その場でネタを考えることになり時間の浪費につながり、書く練習をしていないと、手が疲れての書くスピードの低下や漢字が書けずに時間の浪費につながりますから。