一発試験でけん引免許

大特の記事の最後にも言いましたが、ガールズ&パンツァーのキャラクターである麻子がけん引も持っていたので私もけん引も取ることにしました。
f:id:amanelyric:20180803195434j:plain

けん引

けん引は、その名の通り車体がヘッドと呼ばれる運転席部とけん引されている荷台部に分かれている車両を運転するのに必要で、運転できる車両の大きさは所持免許によります。けん引以外に大特しか持っていないと、大特車でのけん引しかできません。

けん引免許は最初に取ることはできず、けん引と二輪以外。つまり、普通車系統か大特を持っていないと受験できません。

けん引での課題は、方向変換とS字だけですが、方向変換はただ方向変換できれば良い他の車両と違って、中に入って停止した際にヘッドと荷台が真っ直ぐになっている必要があります。

練習場

大特二種が合格してすぐ受けようと思ったものの、MTを運転したのは普通車の免許を取った数年前が最後でクラッチ操作も不安だし、方向変換がかなり難しいらしいということで練習場でちょっと練習してみることにしました。

免許を取る指導をしてくれる所は大きく分けて2種類あり、指定教習所(以下教習所)と俗に言う練習場です。

教習所はみなさんご存知の通り公認委員会から指定を受け、既定の教習をした後技能試験もその教習所で受け、免許センターでは技能試験免除で適性検査だけで免許を取ることができます。

練習場は、各人が好きな時間練習することができるだけで技能試験等は免許センターで受けなくてはなりません。ただし、その分教習所に比べ1時間当たりの教習料金は安く、自分のやりたい課題だけをずっと練習するなども可能です。練習自体は教習所でもやってくれる所があるらしいのですが、私が近くの教習所に幾つか聞いてみた中ではやってくれるという所はありませんでした。

練習

練習場は、昔よりだいぶ減ってきてしまっているみたいで、ちょっと遠い所にあった1つ行くことにしました。

そこは、好きな時間数を練習できるが入所料がかかるプランと、5時間パックで1時間当たりの教習料は変わらないが入所料がかからないプランがあり、せっかくなので5時間パックにしました。料金は37,500円。

練習は教習所でやる教習とは違うので1日に何時間でもでき、練習場が遠いので1日で5時間やることにしました。

1時間目

少しならし走行した後はずっと、直線道路を端から端までバックでした。

けん引は、自分ではハンドルをまっすぐにしていると思っても必ずヘッドと荷台が折れてしまいまっすぐバックできません。また、普通車などと同じようにハンドルを切ると逆方向に進んでいくので、そのことに慣れないといけません。これは、方向変換をする際に重要なことなのでこの特性を理解するために1時間みっちりやるようです。

2時間目

S字を少しやり、方向変換の右バックを練習しました。

左バックは右バックより楽なので、右バックを重点的に練習するということでした。

3~5時間目

主に方向変換を練習しつつ、少しS字の練習。

試験

5時間練習すれば十分だろうと思っていたが、実際やってみるとまず左折が全然できない。大型車の取り回しが全く身についておらず左折時に脱輪させてしまうことが多く、試験でもできる気がしない。また、なかなか回転数が下がらないのか3速から2速に入れることが全然できなかったので、5回くらいは受けることを覚悟していざ一発試験に。

1回目

深視力を何とかクリアし、待合室へ。今回は珍しく比較的楽な左バックでの方向変換だったので、このチャンスを逃すまいと気合を入れて乗車。

普通に発車し、最初の右折が迫ってきたので2速に下げようとすると、案の定2速に入らない。惰性で右折はできたが何とか2速に入れようと焦っていると、来てるよの声と共に突然の停車。見てみると、曲がった先での交差点で左からの通過車が。試験中止だから戻って言われ、課題を何一つすることなく早々に出発地点に戻ることに…

出発地点に戻る途中、もう一度3速から2速にしてみようと、今度はかなり速度を落として試してみたが、ガガガガと凄い音がして結局2速に入れることはかなわず。ついでに、落ちたからと左折時に適当に曲がってみたら、脱輪するからバックしてといわれるなどせっかくなので色々試してみました。

2回目

もう曲がる時に2速にしようなんてしないと誓って発車。何事もなく3速で曲がれ、方向変換へ。

今回はやはりいつもの右バックでの方向変換。練習で習ったようにハンドルを入る方とは逆に半分切り、ちょっとヘッドと荷台に角度がついたらハンドルを戻し、45度くらい角度がついたらハンドルを右に切り角度を維持しつつ…維持しつつ…と思っていると、前輪が前の縁石にかかり停止。その後、何度も同じようにやってみるも結局前の縁石にかかってしまい入れず試験中止。練習場ではこれでほぼ入れられたはずなんだけど...

出発地点に戻ると、みんなもっとゆっくりバックして調整しながら入っていくから、もっと半クラをうまく使ってとのアドバイスが。

方向変換もそうだが、左折やギアチェンジができないまま試験を受け続けても合格する未来が見えなかったので、大型二種の教習をまず受けてから3回目の挑戦をすることに。何故練習ではなく教習を受けることにしたのかは大型二種の記事を参照してください。

3回目

大型二種の教習を受けていて、大型車の取り回しに慣れてきたので再び受けることに。

1回目の試験から半年以上経っていたので、もう一度視力と深視力の検査をし待合室へ。

前日の夜、ネットで見た30度の角度を維持しながら入っていくというのを信じ実践してみたが、1回目は多少入ったもののおよそ方向変換できる状況ではなく、2回目も同様。3回目は入れたものの、ヘッドと荷台を真っ直ぐにしようとしたら前輪が前の縁石に引っかかってしまい、中途半端に入ったものだから出る際にちょっと操作ミスをして後輪を完全に脱輪させないといけない状態になってしまい試験中止。

試験官から、角度が浅い。45度くらいでやると良いとのアドバイスが。大特の時も騙され、ネットの言うことは信じないと決めたのにまた信じて…日和ってしまったばかりに…

4回目

まだ1度も方向変換に成功していないので、今回もできなかったらもう時間とお金の無駄だしけん引を取ることは諦めようと思って待合室へ。

今回は1回目と同じく珍しい簡単な左バック。これはと思いながら方向変換の場所へ。前回の試験官のアドバイス通り45度の角度にしてやってみると、なんと1発で入ったではないか。最後ミスって縁石に対しては斜めになったものの、ヘッドと荷台は真っ直ぐにできたので1発OK。

感動しながら右折で出ようと…と、ここで、後輪が脱輪しそう。どうしようもないのでえっちらおっちらバックし、何とか真っ直ぐの状態まで戻して右折成功。けん引は、普通にバックするのもハンドルをどっちに切ればどう曲がるかよく分かっていないので混乱して大変なので、なるべくバックはしたくない…

その後、左折する際、方向変換に行く前の右折で、癖でクラッチを切った状態の惰性で曲がるということをしたら怒られたため、速度は落とすもののなるべくクラッチを踏まないようにしていたらエンストしてしまい、限度ってものがあるかと反省。

そして、幾度となくある左折をかなりギリギリで曲がれ試験場で初めてのS字へ。S字は特に問題無いでしょと思っていたら、S字の途中で急に前に進まなくなってしまった。後輪は引っかからないようにずっと見ていたので、まさか前輪がと思い踏切から閉じる機会がなく開けっ放しの窓から顔を出して見てみると、確かに引っかかっているような気がしないでもない。けん引車の前輪は自分の下あたりにあるが、大型二種の教習で使うバスは前輪が自分よりも更に後ろにありその感覚でいたため引っかかったようだ。仕方ないのでちょっとバックし、後は問題無くS字通過。

方向変換、S字をクリアし後は出発地点に戻るだけど晴れ晴れした気分でいると、試験官からの、ここはどういう所?の声が。ハッとして周りを見ると、どう見ても見通しの悪い交差点。最徐行で通過しなければならない交差点を普通に通過したことに気づいて、絶望のどん底のまま出発地点へ。

出発地点に戻ると、左折はもうちょっと間を空けて通ると良いねって言葉の後、あれさえなければ合格だったのにって言葉が。

大特でも一度、見通しの悪い交差点を普通に通過する失敗をしたことがあるので、S字の後に見通しの悪い交差点があるからS字が終わっても気を抜かないで通ろうと試験前には考えていたのに、初めて最後まで完走できる喜びからすっかり忘れてしまっていた…

最大のチャンスを簡単な、したことのある分かっていたミスで不意にしたことで意気消沈し、暫く後悔の念で何も考えられないでいたが、合格する未来が見えたということで良しとすることにした。

5回目

前回はもう合格したと言っても過言ではないような感じだったので、今回で受かるかもと思いながら乗車。

一度できてコツを掴んだので、方向変換は難なくクリア。しかしその後の指示速度で問題が。

大型二種の教習では3速で40km/hが出る車両に乗っていたので何も考えず3速で走っていたら、40km/hが出ない。慌てて4速に入れて40km/h出したころにはもうカーブに差し掛かってしまいそうな場所。焦ったままブレーキを踏んでしまい、急ブレーキに。10点減点...

この10点だけならまだ何とかなると走行を続け、前回同様左折をギリギリな状態でクリアしながらS字へ。

前回S字は1回脱輪したとはいえ比較的スムーズに行けたので心配していなかったが、まずS字に入る際左後輪の脱輪を気にし過ぎて前に出すぎ、前輪が脱輪。1回切り返して何とか入れたものの、今度は前回前輪を脱輪したことを気にしすぎヘッドを縁石上まで行かせることが出来ず後輪が脱輪。2回目の切り返しの後は何とかスムーズに出口まで行けたものの、ここで試験中止だから出発点までと言われる。

減点超過するほど減点されてないと思うけど...と思っていると、よく確認できてはいるけど巻き込み確認ができてないところがあったとの事。

6回目

急ブレーキとS字さえ気を付ければ合格できるはず。大丈夫。と自分を奮い立たせ乗車。

出発地点からの合流、いつもなら試験官が左だよって言ってくれるが今回は言ってくれず左合図か右合図か迷ってしまったので、左ですよねと聞いたら、試験場はずっと左だよとの返答が。恐らく試験官は、合流した先が二車線のためどっちを走るべきか聞いていると思ったのだろう。そうじゃないうえにそんな当たり前の事聞いてくる初心者って思われていきなり心証が悪くなってしまった。

更に、最初の課題である方向変換。入ったのは良いもののヘッドを起こすのが遅れてしまい、駐車スペースに対して40度くらいの角度が付いた状態で停止。ヘッドと荷台はまっすぐだし前後輪も脱輪しておらず減点は無いものの、心証最悪。今回もダメかも...と思うものの、まだ減点は0なので気を抜かずに頑張ることに。

早めに4速にし、指示速度を余裕をもって出しスムーズに減速。左折も、今までギリギリになっていたのは対向車線に出て逆走を取られてはいけないと思っていたからだが、大型二種の教習で教官が私がけん引を受けていることを話した際に、けん引は中央線を踏まなければ良いって言っていたのを思い出し、ヘッドを前輪が中央線を踏まない程度には出すようにしたところ余裕を持って曲がれ、減点もされませんでした。ついでに言うと、左折の寄せに関してはけん引は縁石から1m以内なら良いので、特に気にする必要はないと思います。

S字も前回と前々回の失敗を生かし丁度いい具合に進むことができ、4回目の時に失敗した見通しの悪い交差点もしっかり徐行し出発地点へ。

合格したと思いながら停止し、駐車措置の際にも何も言われないので合格を確信。喜びと下車で減点されないよう最後まで気を抜いてはいけないとの緊張で頭が真っ白になり、ドアロックの場所をど忘れしそれっぽい窓の開閉ボタンを操作してしまったりしたが何とか下車。助手席側に回り、免許証を渡されOKだから待合室で待っていてと言われる。

そして...
f:id:amanelyric:20180803195317j:plain
実は、準中型免許が新設された関係で、けん引一種の欄がけん引二種の欄と統合されてしまったのです。それなら、どうせ点数しか変わらないしと二種を受けていたのです。合格後試験官と手続きに向かう際にも、俺の所持免許から免許マニアだと思ったのか試験官に、いきなり二種で良かったの?まあ、一種と欄が一緒だからねと言ってきました。

ちなみにけん引二種は、けん引一種か他の二種免許を持っていないの受けられないので注意してください。

後、けん引二種はヘッドと荷台を真っ直ぐにするだけじゃなくて縁石とも平行にしないといけないと言っている人がいましたが、前述の通りそんなことはありませんでした。

普通車しか持っていない人へのアドバイス

けん引は大型車両で普通車しか運転したことない人には運転の仕方が大分異なり慣れるまで大変なので、何かしらの大型車両の免許を取ってからけん引を取ることをお勧めします。大型車両の運転に慣れていれば、わざわざ練習に行く必要も無いと思います。

もし、それでも大型車両の運転はしたことないけどけん引を先に取るという人のために、一応私が感じた普通車との違いをまとめておきます。

発進時のギアが1速ではなく2速なのは良いとして、発車したらすぐ3速にし、右左折時もそのままギアは変化させずに曲がります。普通車の感覚で、右左折時にギアを2速に下げようとすると痛い目を見ます。S字も3速のまま半クラで問題ありません。4速から3速へは問題無くできます。

普通車ではアクセルを踏まずにクラッチを上げるとまずエンストしますが、大型車両ではエンストしません。逆に、ゆっくり進みたいS字や方向変換のバック時の半クラで、アクセルをちょっとでも踏んでるとスピードが速くなってしまうので踏むべきではないです。私はエンストするのが怖くて最初のうちはアクセルを踏んでしまい、スピードが速すぎと何度も言われてしまいました。

次に、サイドミラーを見ることの大切さです。普通車では、大して見ることのないサイドミラーですが、左折時(方向変換から右折で出る時も)やS字はサイドミラーで後輪と縁石の位置を常に確認し、ハンドルを切るタイミングを模索します。普通車と違って後輪が見えるので、車体感覚がついているならまだしもついていない場合は、後輪が脱輪せず曲がれる位置に来るまでサイドミラーで確認してハンドルを切るべきです。それが出来ていれば、脱輪が怖くて対向車線に大きくはみ出しながら曲がるなんてことも無いと思います。

最後に、前輪は自分の下かそのちょっと後ろにあるので、車体前部が縁石の上になっても問題無いという意識を持つことです。私も初めはなかなか車体前部を縁石の上まで持っていくことができませんでしたが、その恐怖を克服して持っていけるようになれば、多少は余裕をもってS字を通過できると思います。まあ、4回目のように持っていき過ぎてもいけませんが。

おわりに

大型二種は教習所で取るので、免許センターで試験受けるのもこれで終わり。試験は地味にストレスだったので、もう試験を受けなくて良いと思うと解放感が凄まじい。フルビットにするために一発試験を受けまくっている人のメンタルの強さには尊敬の念を禁じ得ません。